カウンセリングの効果を実感するまでの期間は、悩みの内容やこれまでの経過、取り組む方法などによって異なります。「何回受ければいいのか」「今のカウンセリングで変化が出ているのか」と迷うこともあるでしょう。この記事では、効果を判断するときの目安や、変化を感じにくいときの見直し方、オンラインカウンセリングについて解説します。
カウンセリングの効果が出るまでの「期間」の目安は?
カウンセリングの効果が出るまでの期間には個人差があります。数回で気持ちの整理を実感する場合もあれば、数か月以上かけて少しずつ変化していく場合もあります。回数だけで効果を判断するのではなく、日常生活で起きている変化にも目を向けることが大切です。
カウンセリングでは、最初から大きな変化が起こるとは限りません。話すことを通して悩みを整理したり、自分の考え方や行動のパターンに気づいたりすることが、変化のきっかけになる場合があります。
一般的な流れとしては、次のような変化が見られることがあります。
- 初期:悩みや困っていることを整理し、自分の状態を理解していく
- 中期:考え方や感情、行動のパターンに気づき、具体的な対処方法を試していく
- 継続期:身につけた対処方法を日常生活で使いながら、変化を定着させていく
ただし、これはあくまで一例です。悩みの種類や生活環境、カウンセリングの方法によって進み方は変わります。
たとえば、職場の人間関係について相談している場合、最初は「つらい」という気持ちを話すだけだったとしても、回数を重ねるうちに「自分は何に傷ついているのか」「どの場面で強く不安になるのか」が具体的に分かってくることがあります。
こうした気づきも、カウンセリングにおける重要な変化の一つです。
カウンセリングの効果を研究データで見ると?
心理療法の効果はさまざまな研究で検討されており、認知行動療法(CBT)など、特定の症状や悩みに対して有効性が確認されている方法があります。一方で、すべての人に同じ回数で同じ効果が現れるわけではありません。
カウンセリングの効果を考えるときは、「何回で治るか」という数字だけを見るのではなく、どのような方法を、どのような悩みに対して行うのかを考える必要があります。
たとえば認知行動療法(CBT)は、うつ病や不安症などに対する心理療法の一つとして研究が蓄積されています。治療期間やセッション数は研究によって異なりますが、短期間のプログラムとして実施されることもあります。
また、カウンセリングでは方法だけでなく、カウンセラーとの関係性も重要です。安心して話せること、自分の考えや気持ちを否定されずに話せること、相談したい内容について一緒に目標を考えられることなどが、継続して取り組むうえでの土台になります。
そのため、「何回受けたか」だけでなく、次のような点も確認してみるとよいでしょう。
- 以前より自分の状態を理解できるようになったか
- 不安や落ち込みに対処する方法が増えたか
- 以前なら避けていたことに少し取り組めるようになったか
- 人間関係や生活の中で同じパターンに気づけるようになったか
- 困ったときに、自分なりの対処方法を使えるようになったか
カウンセリングについて調べたり、自分に合う相談先を探したりするときは、Otulikaのオンラインカウンセリングについても参考にできます。
悩みの種類によって、カウンセリングにかかる期間は変わる?
カウンセリングに必要な期間は、悩みの内容やこれまでの経過によって変わります。最近起きた特定のストレスについて相談する場合と、長年続いている生きづらさやトラウマを扱う場合では、取り組み方や必要な時間が異なることがあります。
たとえば、次のような悩みでは、比較的短期間のカウンセリングで具体的な問題に取り組むことがあります。
- 職場や学校でのストレス
- 人間関係についての悩み
- 転職、引っ越し、試験など生活上の変化に伴う不安
- 気分の落ち込みや不安への対処
- 特定の出来事をきっかけとした心理的な負担
一方で、次のような悩みでは、より長い期間をかけて取り組むことがあります。
- 子どもの頃から続いている生きづらさ
- 長年繰り返している人間関係のパターン
- 自分を否定してしまう傾向
- PTSDや複雑性トラウマに関連する悩み
特にトラウマに関する悩みでは、安全を確保しながら、自分のペースで取り組むことが重要です。トラウマによって身体が常に警戒しているように感じる場合については、トラウマによって「身体が警戒状態になる」とはどういうこと?も参考になります。
長期的なカウンセリングでも、変化は「悩みが完全になくなる」という形だけで現れるわけではありません。不安が強くなる場面に気づけるようになる、以前より自分を責めなくなる、困ったときに助けを求められるようになるなど、小さな変化が積み重なることもあります。
「カウンセリングの効果が出ていない」と感じたらどうすればいい?
カウンセリングを何度か受けても変化を感じられない場合は、そのまま我慢して続ける必要はありません。カウンセラーとの相性や目標、相談方法などを一緒に見直すことで、今後の進め方を変えられる場合があります。
まず確認したいのは、カウンセラーとの関係です。
「話したいことを話せない」「自分の話を理解してもらえていない気がする」「質問されることに負担を感じる」といった感覚が続いているなら、そのこと自体をカウンセラーに伝えてみてもよいでしょう。
カウンセリングでは、相談している本人のフィードバックをもとに、進め方を調整することがあります。必要であれば、別のカウンセラーに相談することも選択肢です。
また、「効果がない」と感じるときは、期待していた変化と実際に起きている変化が違っていないかを振り返ることも役立ちます。
たとえば、
- 不安になる頻度が少し減った
- 気持ちを言葉にしやすくなった
- 自分を責める時間が短くなった
- 苦手な場面を避ける前に立ち止まれるようになった
- 朝起きることや仕事に取り組むことが少し楽になった
といった変化もあります。
それでも「今のカウンセリングが自分に合っているのか分からない」と感じる場合は、カウンセリングがうまくいかないときに見直したいポイントも参考にしながら、カウンセラーと今後の進め方を話し合ってみましょう。
オンラインカウンセリングと対面カウンセリングでは、効果に差がある?
オンラインカウンセリングでも、ビデオ通話などを使って心理的な支援を受けることができます。オンラインと対面のどちらがよいかは一律には決められず、相談内容や本人の希望、継続しやすさなどを含めて選ぶことが大切です。
オンラインカウンセリングでは、カウンセラーと直接会わなくても、自宅など落ち着いて話せる場所から相談できます。
たとえば、次のような場合にはオンラインという選択肢が役立つことがあります。
- カウンセリングのために移動する時間を取りにくい
- 自宅など、慣れた環境から相談したい
- 近くに希望するカウンセラーがいない
- 周囲の人に相談していることを知られたくない
- 仕事や家事などの予定に合わせて相談したい
一方で、オンラインでは通信環境や相談する場所の確保が必要です。そのため、自分が安心して話せる環境を用意できるかどうかも、利用する前に確認しておくとよいでしょう。
オンラインで利用できるカウンセリングの内容や相談方法については、Otulikaのサービス一覧から確認できます。
カウンセリングを始める前に知っておきたいことは?
カウンセリングは、悩みが限界まで大きくなってからでなければ受けられないものではありません。気分の落ち込みや不安、人間関係の悩みなどについて「一度誰かに話して整理したい」と感じたときも、相談を始めるきっかけになります。
カウンセリングを始める前には、次のようなことを確認しておくと安心です。
- 何について相談したいのか
- 現在、どのようなことで困っているのか
- どのくらいの頻度で相談できそうか
- オンラインと対面のどちらが利用しやすいか
- カウンセリングの料金や1回あたりの時間
- 自分が相談したい内容に対応しているカウンセラーか
相談内容がまだはっきりしていなくても問題ありません。「何となく気分が落ち込む」「何に困っているのか自分でも整理できていない」という状態から話し始めることもできます。
また、カウンセリングだけで対応することが適切ではない場合もあります。症状が強い場合や、薬による治療を含めて医療的な評価が必要な場合には、医療機関への相談が適していることがあります。
料金はサービスやカウンセラーによって異なるため、申し込む前に確認しておきましょう。
よくある質問
カウンセリングは何回受ければ効果が出ますか?
カウンセリングの必要回数に決まった基準はありません。数回で気持ちの整理を実感する場合もあれば、より長い期間をかけて取り組む場合もあります。回数だけでなく、日常生活や気持ちにどのような変化があるかを確認することが大切です。
カウンセリングの効果が出るまでの期間はどのくらいですか?
効果を感じるまでの期間は人によって異なります。最近起きたストレスについて相談する場合は比較的短期間で具体的な変化を目指すことがありますが、長年続いている悩みやトラウマでは、時間をかけて取り組むことがあります。
1回のカウンセリングでも効果はありますか?
1回のカウンセリングでも、気持ちを言葉にすることで考えが整理されたり、自分の状態を理解しやすくなったりすることはあります。ただし、継続的な変化を目指す場合には、複数回にわたって取り組むことが必要になる場合があります。
カウンセリングをやめるタイミングはいつですか?
カウンセリングを終了するタイミングは、相談したい問題の状態や本人の目標によって異なります。日常生活が安定した、自分で対処できることが増えたなど、一定の目標を達成したと感じたときに、カウンセラーと終了について相談できます。
カウンセリングに効果がないと感じたらどうすればいいですか?
まずは「変化を感じられない」とカウンセラーに伝えてみましょう。相談の目標や方法を見直せる場合があります。それでも合わないと感じる場合は、別のカウンセラーに相談することも選択肢です。
オンラインカウンセリングは対面と比べて効果が低いですか?
オンラインカウンセリングが一律に対面より効果が低いとはいえません。ビデオ通話を利用した心理療法については、対面での心理療法との比較を検討した研究があります。自分にとって無理なく継続できる方法を選ぶことも重要です。
カウンセリングと心療内科は何が違うのですか?
心療内科では医師が診察し、必要に応じて薬物療法などの医療的な治療を行います。一方、カウンセリングでは心理士やカウンセラーとの対話を通して、気持ちや考え方、行動、人間関係などについて整理していきます。必要に応じて両方を利用することもあります。
出典
- 世界保健機関. (2022). World Mental Health Report: Transforming Mental Health for All. WHO.
- Cuijpers P, Quero S, Dowrick C, Arroll B. Psychological Treatment of Depression in Primary Care: Recent Developments. Curr Psychiatry Rep. 2019 Nov 23;21(12):129. doi: 10.1007/s11920-019-1117-x.
- Simpson, S. G., & Reid, C. L. (2014). Therapeutic alliance in videoconferencing psychotherapy: A review. Australian Journal of Rural Health, 22(6), 280–299. https://doi.org/10.1111/ajr.12149
- Norcross, J. C., & Lambert, M. J. (2018). Psychotherapy relationships that work III. Psychotherapy, 55(4), 303–315. https://doi.org/10.1037/pst0000193
カウンセリングを受けるか迷っている場合は、まず一度話してみることから始めてもかまいません。相談したいことがまだ整理できていなくても、現在感じている不安やつらさについて話す中で、必要なサポートを考えていくことができます。
